【バレエ撮影】発表会でプロに頼む理由。スマホと決定的な3つの違い。

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こんにちは、舞台写真家の宜将です。

最近、バレエやダンスの発表会の会場に行くと、客席で「すごいなぁ」と感心してしまうことがあります。 それは、保護者の方が持っているカメラの性能です(笑)。

最新のiPhoneや、パパが買った立派なミラーレス一眼。 運動会や屋外のイベントなら、私たちプロが撮った写真と見分けがつかないくらい、綺麗に撮れることもあります。

「これだけスマホが進化してるんだから、もうプロカメラマンなんていらないんじゃない?」 「自分たちで撮れば予算も浮くし、その分衣装代に回せるし……」

そう思われるお気持ち、すごくよく分かります。私も逆の立場ならそう思うかもしれません。

でも、長年この世界でシャッターを切り続けている身として、一つだけお伝えしたいことがあるんです。

それは、 「バレエの舞台だけは、カメラの性能だけじゃどうにもならない壁がある」 ということ。

なぜ、発表会の撮影はプロにお願いした方がいいのか? 今回は、ちょっと専門的な話をできるだけ噛み砕いて、その「理由」をお話しするのでご一読ください。

1. 舞台は、カメラにとって「いじわる」な場所

まず知っていただきたいのは、舞台という場所が、実はカメラにとってはものすごく過酷な環境だということです。

人間の目で見ると、スポットライトを浴びたダンサーはキラキラ輝いて見えますよね? でも、カメラの目から見ると、舞台はそんなに明るくないんです。

  • 明るく撮ろうとすると、シャッタースピードが遅くなって、ダンサーの手足がボワッとブレてしまう。

  • ブレないように速く撮ろうとすると、今度は写真が真っ暗になってしまう(無理に明るくすると、画質がザラザラになる)。

この環境下で柔軟な撮影をす行うためには、最適な機材と、その場の状況に合わせて一瞬で設定を変える技術が必要です。

カメラの「オートモード」は、舞台の激しい明暗差についていけません。 白い衣装にライトが当たると「眩しすぎる!」と勘違いして、顔を暗く写してしまったり……。 私たちプロは、照明が変わるたびに指先で設定を微調整して、「肌の色が一番きれいに見える明るさ」を常にキープし続けているんです。

2. 「音楽」を撮っているか?(ここが一番大事!)

これが、プロとアマチュアの一番大きな違いかもしれません。 私たち舞台写真家は、目で見てシャッターを切っているわけではないんです。

「えっ、見てないの?」と驚かれるかもしれませんね。 正確に言うと、「音楽を聴いて、予測して撮っている」んですよね。

例えば、バレエの大きなジャンプ(グラン・ジュテなど)。 「あ、飛んだ!」と目で見てからシャッターを押していたら、実はもう遅いんです。 写真に写るのは、着地の瞬間か、降りてくる途中の少し残念な姿になってしまいます。

プロは、音楽のリズムと、ダンサーの動作の瞬間瞬間を見ながら、  ベストなポイントに来る「0.1秒前」にシャッターを切ります。

これはカメラの性能ではなく、「バレエという芸術への理解度」の差です。 指先、つま先が一番美しく伸びた「奇跡の一瞬」を逃さない。 それは、踊り手と一緒に呼吸をしているからこそ撮れる一枚なんです。

3. 「記録」ではなく「物語」を残す構図

保護者の方が撮影すると、どうしても「我が子」を大きくアップで撮りたくなりますよね。 それは親心として当然ですし、愛があって素敵なことです。

でも、バレエの美しさは一人だけではありません。 周りのみんなと作る「群舞(コールド)」の並びや、舞台装置や照明、衣装や小道具が作り出す幾何学的な美しさ。 振付家をされる先生が「ここを見てほしい!」と意図した舞台全体の構成。

プロは、その子がセンターに来た時はグッと寄り添い、全体で見せるべき時はスッと引く。 まるで「もう一つの演出」を加えるように、構図を決めています。 そうやって撮られた写真は、あとで見返した時に「あぁ、こんな素敵な舞台に立っていたんだな」と、その日の空気感ごと蘇ってくるんです。

それと、もう一つ大事なこと。 私たちプロは 客席で液晶画面を光らせたり、カシャカシャと大きな音を立てたりして、他のお客様の邪魔をすることは絶対にありません。 その場の空気を壊さずに、最高の一枚を残す。これも大切な技術の一つです。

一番のプレゼントは「見てあげること」

少し熱く語ってしまいましたが、私が一番伝えたいのはこれです。

せっかくの晴れ舞台。 お父さん、お母さんには、小さなカメラの画面越しではなく、ご自身の「肉眼」で、お子様の成長を焼き付けてほしいのです。

「撮らなきゃ、失敗しちゃダメだ!」と焦って、肝心の演技をちゃんと見られなかった……というのは、あまりにも勿体ないですよね。 あとで「ママ、見ててくれた?」と聞かれた時に、「ごめん、カメラの設定いじってた」なんて言いたくないはずです。

記録に残すという「作業」は、私たちプロにお任せください。 責任を持って、一生の宝物になる「カタチ」に残しますから。

だから当日は、どうぞ安心して、拍手を送ってあげてくださいね。

もし、「今年の発表会、どうしようかな?」と迷われている主催者様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。 テスト撮影なども柔軟に対応いたします。

≫ 舞台写真家 宜将のWEBサイトはこちら(https://yoshi-masa.com

それでは、また。

宜将(Yoshimasa)