どんな業界でも、低価格で商品やサービスを提供する方はいらっしゃいます。
写真業界でも同じですが、近年写真業界ではフリーや副業カメラマンが増えた事で低価格帯の撮影がより一層増えている傾向にあります。
これが良いのか悪いかは別として、低価格帯にはそれなりの理由もあります。
この記事では、これまで私が経験してきた事をもとに格安の写真撮影についてあれこれお伝えしますので今後の参考にしていただければと思います。
格安の写真館や写真カメラマンが増えているわけ
近年、フリーのカメラマンや副業カメラマンが増えているわけですが、その背景には写真業界の参入障壁の低さが一つの原因にあります。
特に資格を有する必要もなく低価格帯のカメラやレンズを揃えれば、今日からでもカメラマンと言って活動ができるわけですから簡単な職業ですよね。
コロナの影響もあり収入が減った、または副業を始める際に始めやすい仕事という事も理由の一つだと考えられます。
ただ、そのようなカメラマンは経験が無いに等しいので格安での写真撮影を提供するわけで、それを見た消費者が安くて撮ってくれるのならそっちの方が良いという事で依頼をする流れですよね。
そして現在は、SNSや仕事を仲介するプラットフォームといった自分でも集客できるベースが揃っている為、プロとアマの境目が判断しづらい環境でもあります。
写真館に至っても、なかなかライバルとの差別化ができない所は格安撮影を武器として集客する傾向が増えつつあります。
写真の世界も、完全にデジタル化となり極端な事を言えばカメラ一つあれば稼ぐ事が可能な業界になってしまった事で格安の写真撮影が増えた要因と言えます。
格安の写真撮影の質とは?
では、格安の写真撮影は品質が悪いのか?というと、半分正解で半分間違いが私の意見です。
格安で写真撮影を提供されている方の中には、しっかりとした品質で写真を提供されている方もいらっしゃいます。
きちんとしたお客様対応や丁寧な撮影、あとフォローといった一連の流れを満足してもらうように心がけている方もいる一方、品質・対応・フォローなど自分中心で活動している方も少なくありません。
なので、品質の良し悪しはカメラマン次第って事につながってきます。
あなたならどう思われますか?
私はこう思うんです。
でもそれって逆を言えば、そうなるよねって。
よく考えてみてください。格安の仕事を受けるという事は利益がほとんど取れないわけですから、カメラマンがやれる事にも限度が出てきますよね。ですから価格以上の品質を提供する事はなかなか難しいですよねって話です。
これはカメラマン側としての意見です。
一方、依頼する側の消費者目線でいうと、格安だろうが高価格だろうが、仕事を受けた以上満足させるのが当然でしょうって意見だと思いますが、果たしてそうなのか?という事です。
格安の写真撮影を依頼される側は「品質があまり良くなくても仕方がない」・「少し対応が雑でも仕方がない」といった心持ちで依頼される方が結果的にストレスはかからないと思います。
理由は簡単です。格安だからです。
格安って、聞こえはいいですが、その背景には格安にする理由が少なからず存在するものです。これは写真に限らずどんな事でも同じです。
格安の写真撮影を選ぶのは個人の自由ですが、その背景をしっかりと理解した上で撮影の依頼をお願いした方がいいです。
写真は消耗品ではないので金額だけで選ぶとNG
あなたは、どのような時にプロに写真撮影を依頼しますか?
大抵の場合が、記念の時ではないでしょうか?
例えば、お子さんが生まれた時・七五三・結婚式・成人式・家族写真などの、人生における晴れの日や節目の時だと思います。
そのような大切な日に撮る写真って、ずっと形として残り続けるものです。
今は写真データが主流ではありますが、やっぱり記念の日に撮影した写真ってアルバムだったり形に残す事の方が多いわけです。
そんな一生に残る大切な写真撮影を金額だけで選んでしまってはちょっと勿体無いというか、残念な気持ちになってしまいます。
当然、それぞれ経済的な都合があるので、最終的に金額で判断するのは当たり前ですが、経済的な都合がある分予算内でできる事をカメラマンと話し合って良いものを作り上げる努力をしてほしいなと、そう感じるわけです。だって一生の記念に残る日に撮影したものだから。
そうする事できっと、良い思い出が形として残っていきます。
お子さんの写真を撮る場合は特にそう感じます。
親や祖父母が、形として素敵な写真を残してくれた時、心から愛を感じて自分は心から愛されていると実感するんです。
写真は撮って終わりの消耗品ではなく、その人の人生の1ページを彩る宝物です。
写真の良さってこういうところなのです。
写真は一生残るもの。だからこそ品質を優先に。
前提としてお伝えしますが、格安の写真撮影が駄目と言っているわけでは全然ありません。
格安撮影だろうと高価格撮影だろうと、何を選ぶかは個人の自由ですからね。
ただ、私がお伝えしたいのは格安は格安なりの理由があるという事を理解された上で、どのような写真カメラマンに大切な思い出を形にしてもらうか選択された方がいいという事です。
写真は一生残るもの。だからこそ品質の良い写真を残してほしいと思いますし、長い目で見た時に品質の良い写真を残した事が結果的に良かったと思えると断言できるからです。
今はデータが主流で、写真データがスマホやPCに入っていれば満足という人もいますが、パネルや額または台紙やアルバムを作って部屋に飾る事で豊かな気持ちになりますしその空間が愛溢れるものへと変化します。
愛を形に変える。そのような力を持っているものが写真だと私は心から思っています。
せっかく形に残すのであれば、品質は良いものに越した事はありませんが、限られた予算の中でしょうからそこはカメラマンに想いのたけをしっかりと伝えて品質の良い写真を残してほしいと思います。
それが結果的に、お客様もカメラマンもそして写真業界も喜ぶ、「三方よし」となるわけですから。
格安の写真撮影のまとめ
近年、「写真は安く撮ってもらえる」イメージが先行しているように感じますが、これは業界にとってはよろしくない状況です。
でも、本当の意味での写真の価値だったり必要性を理解していただければ、格安の写真撮影を一番に選ぶ事はないと考えます。
その時の状況によって選択は変わってくると思いますが、長い目で見た時の情景をイメージして品質の良いものの選択をしていただけると写真業界は少しづつ変化していけると感じています。
格安は悪い、高価格の方が良い、とかそんな事ではなく、価格は最終の判断材料として考え、自分自身にとってまたは家族にとって最高の思い出となる一枚を形にするために最善な選択をしていただければと思います。
最後までお読みいただき有難うございました。
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